本「コンビニ人間」

社会や人間関係にうまく適応できない主人公。
しかし、コンビニにはうまくはまり、仕事ができる。
職人なんかには、こんな人が多いのではないかと思う。
社会になじめないほど、仕事に集中して打ち込め、天才的な能力を発揮する人もいるのではないだろうか。

作者が言いたいことは、そういうことではないだろうが。

主人公を通して、世間というものの本質をあぶり出している。
ちゃんと就職していなければ、ちゃんと結婚していなければ、まわりの人はさまざま干渉してくる。
それが当たり前と感じない主人公の目から、あらためて見てみると、人はいろんな圧力を「世間」からかけられながら、ほかと違う生き方がしにくい世の中にいるんだということが浮き彫りになってくる。

しかし、ほかと違ってもいい。
自分の好きなことを、うまくコーディネートして、ビジネスにつなげて行ければ、生きていける。
コンビニが好きだったら、自分のコンビニを持ち、店長になればいい。

「世間」の目を気にして生きても、誰も責任をとってくれない。