「新しい道徳」北野武

たけしさんがトイレ掃除をするというのを聞いたことがあったが、本当だった。
本人が書いているのを目にすると、納得する。
トイレ掃除をすると運気が上がるというが、それはそういう姿勢が人生のいたるところに反映されるからなのかもしれない。

たけしさんは、弟子には最低限のルールしか教えないという。
ADはプロデューサーにこき使われているが、勘違いしてぞんざいな態度を絶対にとってはいけないということを教える。
それ以外は、自分で考えて身に付けるしかない。
不思議な事に、成功する人はあいさつをきちんとするし、礼儀をわきまえ、人当たりがよく、ADに横柄な態度をとることもないという。
いままで芸能界を生き抜いてきた大先輩のたけしさんから言われると、心にズシンと来る。

野垂れ死んでもいいという覚悟を持てば、なんだってできるという言葉は、阿部敏郎さんと共通していた。
たけしさんは、大学を中退して芸人になるとき、死ぬぐらいの覚悟で飛び込んだという。
自分にも、そんな選択をする機会がやって来るかもしれない。
死ぬときに後悔しないようにしたい。