映画「アイアンマン3」

パワードスーツの露出の比重を下げ、トニー・スターク本人を前面に出してきていた。
機械のかっこよさに目が行きがちになるが、それを操縦するのは人間だ。
その人間の心に焦点を絞ってきているのを感じた。
トニー・スタークがパニック障害になっている設定も面白かった。
そんな心の弱さも抱えながら生きていく、戦っていく姿勢に共感できる。
アベンジャーズの後のできごとということで、そこら辺をつなげる伏線は余計だと思ったが、最後にパワードスーツを惜しげもなく花火代わりにするあたり、モノへの執着を断ち切る象徴なのかもしれないと思った。
たくさんのパワードスーツが出てきて、ひとつが壊されれば、脱ぎ捨て、また新しいものを装着して戦っていったが、これはまるで輪廻転生のようだと思った。
それがまた、爽快感があった。
自分とは何かということが、ことさら強調されていった気がする。
魂は決して傷つけられることはない。
もっとリラックスして、ゆったりしていていい。

ビンラディン似のテロリストがでていたが、それが陰で操られていたという設定も、真実に近い気がしておもしろかった。
その黒幕は、アメリカ国内にいるのかもしれない。
こういうことを描けるハリウッドは、やはりすごいと思う。