「はだしのゲン」

何十年かぶりに読んだ。
子供の頃に読んだときは、戦争の悲惨さしか記憶に残らなかったが、今回読んでみて、実に分かりやすく戦争の恐ろしさが描かれていることに気付かされた。
ただ殺されたり、飢えたりすることだけが恐ろしいのではない。
まわりがみんな洗脳され、それから外れると非国民と言われ、さまざまないじめを受ける。暴力だけではなく、辱めを受け、精神的にも追い込まれる。
逆に子供の世界のほうが、容赦ないいじめに晒される。
宮崎駿監督は、戦争の頃の日本に今近づいている、と言っていたが、なんとなくそういう空気を感じる。
一部のお金持ちを儲けさせるために政治家が煽られて戦争を始めた、というセリフも、鋭いと思った。
今読むべき本だと思った。