心に響いた言葉

「私という独立した存在がある(自我)」というこの錯覚・思い込みは、仏教では『有身見(うしんけん)』という言葉で説明されていてね、煩悩の一つなんだ。
この「自」と「他」を分離する壁がなくなる状態、つまり、自我が消えた状態のことを『無我』と言う。
「無我」は、読んで字のごとく「我が無い」という意味だが、それは「存在が消滅する」ということではない。
「自他を分ける壁がなくなり、あらゆる存在と一つとなり、“私”という独立した概念がなくなる」ということなんだ。
「存在」は「存在」としてありつづける。

「あの世に聞いた、この世の仕組み」P58