東京への出張

今回の出張は、出発前に熱が出て、体調が悪かったので、研修が終わったあとはすぐにホテルに戻り、缶詰になっていた。
しかし、たまたま持っていった「三国志」にはまり、読書をするには最高の環境だった。
ひとりで部屋に閉じこもって、外界の情報を遮断し、ひたすら読書に集中するという機会は、滅多にない。集中して堪能することが出来た。
最近は精神世界系の本ばかり読んでいて、小説を読むのは久しぶりだったせいもあり、新鮮だった。
このために体調が悪くなったのかもと思われた。

三国志」の時代は、権力さえあれば、人を殺そうが何をしようが罰せられることがない世の中だった。そんな中でも、人徳を貫いた劉備玄徳は、偉大な人だったと思う。
映画「レッドクリフ」では、劉備はぱっとしない人物としてしか描かれていないように感じたが、人徳を短い時間で表現するというのは難しいので仕方がないだろう。
あの戦国の世において、人徳を貫くことがいかに難しいか、読めば読むほど実感させられ、劉備の偉大さがひしひしと伝わってきた。
しかも、彼は世のために私兵を率いて戦うも、なかなか認められず、役人にこき使われ、その後助けた人に裏切られることがあったり、とにかく辛酸をなめながら、なかなか表舞台にでることが出来なかった。だまされていると分かっていても、人徳を貫き、裸一貫になったり、とにかくこれでもかと試練が襲ってくる。
しかし彼は、逆境の中でも、無礼な態度を取られても、あまり気にしない人であったようである。心が広かったのだろう。
それは、いつもいい気分でいれば願いが叶うという、宇宙の法則とも合致していると思う。

今回の出張は、一切観光などはしなかったが、充実したものになった。