「親の家を片付けながら」

本当につらい体験をした人は、そのことを語らないし、語れない。
ホロコーストの傷跡が他人ごとではない作者の視点から、ホロコーストの残酷さが浮き彫りになる。
生き残れても、生き残った事に罪悪感を持ち、一生苦しみ続け、自殺してしまう人も多い。
虐殺は、人々を二重三重に傷つけていく。

ちょうど家の片付けを始めたところだったので、何となく惹かれて買ったのだが、物との別れは、そこから想起される思い出の死にも似ている。
賢者は日々生まれ変わるというが、生まれ変わることの難しさを、物を捨てるということからも感じられる。
人が変化を恐れるのも、愛着という執着が出てしまうからかもしれない。
自分のペースで、無理をしないで変わっていこう。